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2020年2月末、画廊「かんらん舎」代表の大谷芳久氏から、戦時中に出版された文芸作品を中心とした330冊近い資料を譲り受けました。これらの資料は、昭和13年から昭和21年の間に出版されたものであり、貴重な一次資料として、2021年に大谷文庫戦時下資料ラボを立ち上げ、データベース化しました。

19世紀末、私が生まれ育った福岡で「玄洋社」という政治結社が創立されました。祖父はその社員で政治家・中野正剛氏の書生をしていました。1943年中野は打倒東条内閣の論説を新聞に発表後、身柄を拘束され、割腹による自死を遂げています。1935年前後に満州に渡った祖父は中野の自死を聞き日本にすぐさま帰国したそうで幼かった母は「日本で何か大変なことが起きた」と思ったと言います。